がんばれ医学

書いてる本人も気持ち悪い内容なので
読んでて心地よい話ではないかと思いますが、つわりの一部始終を記録。

2カ月

・ある日突然すべてのにおいが辛い。
・オットのにおいが突然気になり出した時には
 「この人急に老けたのか」と思いすみませんでした。
・世の中にはこんなにもにおいが満ち溢れていたのかと
 かつて昼間っから呑んだくれた挙句酔い酔いで堂々と電車に乗って
 帰宅していたことを反省する。
 今後はちゃんとガム噛んでマスクします。
・突然「うえっ」と来るため、飴が手放せない。
 トイレとビニール袋が友達さ〜。
 この時期にはまっていたのはレモンミルク飴。
・特別何かを食べられないということはまだなく、
 触覚や視覚で急激に吐き気が来ることの方がまだ多かった時期。
・そうこうしている間に出血、急遽近所の病院へ。
・「自然分娩万歳」という方針のじいちゃん先生に多い気がするけれど、
 自然妊娠以外の妊娠を認めない人も医療従事者もいることを痛感。
・「自然に妊娠することのできなかった子なのだから
  生まれてくる資格のない子なのだ」と言われ、泣く。
・で、病院変更。
・転院先の病院で「つらかったね」「がんばったね」と
 看護士さんに励まされ、また泣く。
・切迫流産の兆候があるということで自宅にて絶対安静生活。
・不安も相まって、情緒の安定が著しく欠けておりました。
・最終的に不妊クリニックを卒業したのも2カ月後半のころ。
・お世話になったスタッフの方がみんな診察室に来てくれて
 「がんばってね」と笑ってくれ、またまた泣く。
・なんやかんやでパンパンに張りつめた水風船みたいな状態だったんだと
 なんとなく今になって思います。ちょっとつついたらばーーん!!

3カ月

・24時間無休の船酔い状態。大量の油を飲んだ気分。
・湯気が気持ち悪くて料理とお風呂が地獄。
・トイレが一番落ち着く。
・「おいしい」と感じられる食べ物が皆無になる。何食べても金属の味。
・しかし食べずにいるともっと気持ち悪いので無理矢理にでも
 口にできるものを探す日々。
マーライオンの気持ちをぼんやり考えたり。
・夢の中ですら吐いていた。
・たまご粥にポン酢をぶっかけてみたり、トマトにすし酢をかけてみたり。
・水分だけは取らねばと思うものの、水で薄めたポカリを舐めるように
 ちびちび飲むことしかできず、面白いように体重減少。
・デブにはじめて感謝した。痩せても標準。
・PC画面が見られない、テレビが見れない、本も読めない。
・ヲ薬が摂取できないほどに体調が落ち込んだのは
 はじめてのことでした。
 どんな副作用の強い薬使ってた時にもヲ薬だけは摂れてたのに。
・絶え間ない吐き気と気持ち悪さとめまいで、
 指一本動かすのもしんどい状態に。
・母(←つわり皆無の人)に「気合が足りんからそうなる」
 「外に出て働きなさい」「気のせいだ」と言われるも
 もはやどうにもならず。
・もしも男につわりがあったならば、とっくに特効薬ができているに
 違いないとか想像し、自分の想像に勝手に怒る。
・多くの人が経験する症状なのに、21世紀のこの時代においても
 「つわりの原因は不明」だそうで。
 母体の神秘とかいう言葉におれは騙されないぞムキー!と
 ぶつけどころのない怒りを覚える。
 どうにかしてくれ。どうにかがんばってくれ医学関係者よ!
・唯一口にできた食べ物はミルキー。
 ミルキーのエネルギーだけで呼吸する。
・話すなんてことはおろか、呼吸するのももう気持ち悪い。
・「病気じゃない」という認識のために我慢しすぎてしまったことが
 どうやらよくなかったらしい。

・検診のため訪れた病院で、即入院を宣告される。
・点滴を数日間打ち続け、脱水から解放されだいぶ楽に。
・家事の一切を気にすることなく「病気じゃないけどつらいね」と
 認めてもらえる状況下に置かれたことも幸いし、
 食べられないけれどそれなりに人間の顔色に戻る。
 医師いわく「土偶みたいな顔色してた」とのこと。

・病院では入院期間がどれくらいになるか全く分からなかったため
 個室ではなく大部屋におりました。
・入院5日目くらいに大部屋に帝王切開出産のため入院してきた
 妊婦さんがいらっしゃったのですが、
 この人の付き添いの旦那に苦しめられることに。
・ハッピーさのあまりに浮かれまくり、病室で撮影大会開始。
・自分たちだけで「今の気持ちは!?」とかインタビューごっこ
 してるだけだったらまだしも、
 「同室の方に聞いてみましょう!」とか言ってやってくるのには
 本気で閉口した。
産婦人科の入院患者は出産する妊婦さんだけではないんだよう。
・タイミングの悪いことに同日、大部屋に日帰り処置の患者さんが
 ひとり入院。
・はっきり聞いたわけでは当然ないけれど、
 たぶんこの患者さん流産の掻把手術だったと思うよ・・。
・浮かれ夫婦がキャイキャイはしゃぐたびに、
 この人ベッドの中で泣いてたよ・・・。
・それらの状況で、胸がぎゅうっと苦しくなり過呼吸
・付き添いダンナよ、お腹がすくのは分かるけれど
 メンチカツやらうまい棒チーズ味をもりもり食うのはやめてくれ。
 においで白目むいたわ。
・おめでたいことではあるのは確かだけれども、
 この夫婦がどうしても嫌で嫌でたまらず予定を早めて退院。
 通常モードでも4畳半一間程度しかない心の広さが
 つわりのせいでさらに狭くなってましてすみません。

4ヶ月

・実は入院期間中に引っ越しせねばなりませんでした。
・引っ越し業者とオットと両親に丸投げ。すまん。
・引っ越した結果家が近所になった大学時代からの友人ふたりが
 差し入れをもってやって来てくれ、心底感謝。
・自らも大変な状況にあるヲ友達が電話をくれ
 「ヲ薬買いに行けなかったら送るよ!」とありがたい言葉。
 ひとりじゃないって〜すてきなことね〜。
・にんしん前、冷蔵庫の扉を閉めることすらできなかったオットが
 掃除洗濯アイロンがけしてくれております。
 家事ができないことに対しても思いの他寛容でほっ。
・にんしんしたと伝えたら涙ぐんで喜んでくれたお友達やら
 「つらいの?ココ座って休みなさい〜」と
 スーパーでボーっとする私に声をかけてくれた
 見知らぬおばちゃんやら
 (かばんにつけたマタニティマークに気づいたらしい)
 たくさんの人たちの好意で支えられているのだなあと
 改めて痛感。ありがとうありがとう。
・頂いたきもち、もらいっ放しには決してしないよー。
・相変わらず気持ち悪いとはいえ
 4ヶ月に入った頃から、ほんの少しずつ口にできるものが増え始める。
・友達が持ってきてくれたプレミアムオレンジジュース。
 「おいしい」と思えたの久しぶりだよー!!うれしいよー!!
・桜の季節が終わり、スーパーにカットスイカが出回りだす。
・スイカおいしいですスイカ。熊本のスイカ農家のみなさま、
 あなたがたのおかげで生き永らえましたありがとうございます。
・食べ物で気持ち悪くなることは減ってきたけれど
 なぜかたかはしじょーじ氏とつじちゃんとまつざきしげる氏が
 だめになる。テレビって凶器だな。
・その辺に抜け落ちてる髪の毛が何故だか気持ち悪くてたまらず。
 排水溝とか考えるだけで余裕で吐ける。
・突然の吐き気やムカムカはまだまだ残っているとはいえ
 1人前の食事を1日がかりでどうにか食べられるように。

5カ月

・安定期になればきっと、安定期になればきっと、と呪文のように
 言い聞かせながら頑張ってきたけれど、安定期、訪れず。
・体重減少は止まったものの、全く増えず。腹だけ目立ってくる。
・湯気に対する気持ち悪さが若干薄らいできたので
 どうにかこうにか台所に立てるようになる。
・「た○ごクラブ」的な雑誌は、私のような不安定妊婦が見ても
 参考にならぬどころか地雷になるのだなあと。
 地雷ってほんっとにあちこちに転がってるのね。気づかなかっただけで。
・妊婦向けの針灸治療がちょっと効いた気がする。
 気がするってだけでもこの際いい!気のせい大事!
・友達と近所のお店に外食に行ったり
 公園でお弁当食べたりということもたまにはできるように。
 身なりをどうにかする余裕が持てなかったため常に
 すっぴんめがねだったのに嫌がらずつきあってくれたお友達ありがとう。
・この頃中の人の動きを感じられるように。
 つらいときも励まされるなあ。
・ずっと気持ち悪くて寝られず、よくて3時間程度だった睡眠が
 4、5時間程度に伸びる。
・人間らしさがすこーしずつ、戻ってきたような・・・。

6ヵ月←今ここ

・わたしには安定期なんぞないのだな、という諦めがつく。
・本来5カ月ですべき着帯、ようやく。
・体重が少しずつ戻り始める。
 ガツンと減ったおかげで他の妊婦さんのような
 厳しい体重管理、一切なし。
 無理やりにでもいいとこ探しさえできれば、きっとなんとかなる。
 はず。たぶん。きっと。
・気持ち悪すぎて早く動けない、から
 腹が重くて早く動けない、に変遷しつつあります。
・中の人は順調に成長しているようなので、それで十分。