僕の妻はエイリアン

春ですな。急に寒いけど梅も咲いたし近所の土手には土筆の影が。
この新しい季節に、お友達も各所で新しいチャレンジを始めている模様です。
大好きな人たちががんばっているのを見るのがうれしくてうれしくて、
毎日勝手に励まされております。ありがとうありがとう。
そしてわたしの元にも、新しい世界がやってきてくれました。
今はまだ時期尚早ですがいずれ笑いながら報告できればと思います。
無事にそんな日が来てくれることを祈りつつ、
今はただ目の前のハードルを地道にコツコツなぎ倒していくのみ!
またダメかもしれないな、と思ってしまう気持ちを消すことはできないけれど
ダメだったとしても「納得できるダメ」にしたいしね。がんばります。

なんやかんやとドタバタしてはいるのですが(気持ちが)(体は暇だ)
相変わらず本は読んでます。

僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

しばしば噛み合わなくなってしまう会話。
「個性的」を通り越し、周囲の目を忘れたかのような独特の行動。
ボキャブラリーも話題も豊富な僕の妻だが、まるで地球人に化けた
異星人のようだ…なぜ?じきにその疑問は氷解する。
彼女はアスペルガー症候群だった。
ちぐはぐになりがちな意識のズレを少しずつ克服する夫婦。
その姿を率直に、かつユーモラスに綴った稀有なノンフィクション。

仕事で日々アスペルガーの方とも接しております。
診断は『アスペルガー』という同じ言葉でも、人それぞれこんなに違うものかと
今でもまだまだ驚くこと多々。
少しでも彼らの世界を理解するための参考になれば、と
どちらかといえば仕事上の興味から手に取った一冊でした。
が。
あとがきの冒頭で、えええうそー!!と天を仰ぎました。
まさかこんなところで叙述ミステリの名手もビックリするような
ビックリに遭遇するとは。この手の本でネタバレを気にすることになろうとは。

まあそんなビックリはさておいたとしても、
うまくいかないことに打ちひしがれながらも病気のせいばかりにせず、
解決策を理性的に探る妻はすごいなあと。
人によってはそんな姿は恵まれた人間の自慢にすぎないと感じるかもですが。
自分が好きで選んだ道ではないにしても、選ぶしかなかったその道で
どうやって生きていくのか、考えるだけでもしんどいことを考えるのをやめない、
そんな姿勢がすでにすごいです。
まあ、そうしなくては生きて来られなかっただけかもしれませんが・・。
オットと妻の諍いの場面は、やるせなかったなあ〜。
わたしのように、発達障害に関する仕事をしている人間にとって
障害に対する知識はもちろん必要不可欠なものだけれど、
それ以上にその人そのものを見ることが大切なんだと再確認。

普段文庫本を買うときにはついついあとがきを先に読んでしまうことも
あるけれど、この本はあとがきはちゃんと後で読んだ方がいい!
それだけは断言できる!