笑って泣いて生きてゆこうぜべいべー

去年の今頃、職場の寺子屋でいつものように働いていました。
今日のごはんは何にしようかなーなんて休憩中に考えながら
生徒たちといっしょにおやつのガリガリくんを食べていました。
ふつうの、あたりまえの日常でした。

わたしが今住んでいる地域では、あの日の震度は4。
感じた経験のあったどの地震とも違う、何ともいや〜な感じの
大きな横揺れが長く続き、生徒たちはパニックを起こしました。
暴れる生徒の首根っこをひっつかみ、抱きこむようにして
うちの弱小寺子屋内では一番丈夫にできてると思われる机の下に
こどもたちを押し込みました。
あの日から今日で1年。
時間は行為の内容によって伸び縮みするんじゃないかと思っているので、
もう1年だなんて早いもんだ、と思えてしまうことに
何だか罪悪感のような黒い塊を胸の中に感じます。

わたしの担当している生徒さんは、主に発達障害のこどもたちです。
被災地の揺れには及ぶべくもない程度の揺れ、町の被害も全くなし
ではあったけれど、あの日の記憶は、生徒たちの脳に深く刻みつけられて
1年たっても薄れることはない様子です。
前の通りを大きなトラックが通っただけで怖がって唇を噛みしめながら
背中にしがみついてくる生徒もいます。
1年経ったからって決してこれで区切りがついたなんてことはあるはずもなく
これからもずっと、被災地でも、それ以外の場所でも、
あの日の記憶は生き続けてゆくのだなあと改めて。

大切な人を亡くしても悼む暇もなく、生きのびることだけに
全力を注がねばならなかった被災地の方々の痛みは、
どれだけ分かろうと努力しても分かるようなもんではないはず。
ただ、同じ時間に同じ国に居合わせた、
わたしなりの震災を体験した者として、
その痛みを一部でもいいから一緒に引き受けさせてもらいたい。

ご冥福を心よりお祈りしています。