どこから行っても遠い町

インフル流行ってるこの時期に病院行った場合、
待合室の雑誌は読みません。
あれ、ぜったいウイルスの温床になってると思うの!*1
だからわたしは、持参した本を読む!
あとあれだ、待合室の本も怪しいと思うけど何気にお金もやばいと思う・・。
誰触ったかわかんないべ?

どこから行っても遠い町 (新潮文庫)

どこから行っても遠い町 (新潮文庫)

男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、
真夜中に差し向かいで紅茶をのむ「平凡」な主婦とその姑、
両親の不仲をじっとみつめる小学生、
裸足で男のもとへ駆けていった魚屋の死んだ女房…
東京の小さな町の商店街とそこをゆきかう人々の
平穏な日々にあるあやうさと幸福。
短篇の名手による待望の傑作連作小説集。

日常と非日常の、地続きになったふたつの世界の境界あたりを
ふらーりふらーりとたゆたうような短編集。
同じ町に住むそれぞれの登場人物たちは、
皆自分たちのことを「ふつう」と自覚しています。
普通な彼らに潜む「ふつう」ではない一面が感じさせる違和感が、
確かにここではない、どこから行っても遠い場所を感じさせてくれました。

これ、連作短編の形式をとっていまして、
ある話で主役だった人が、別の話ではチョイ役で登場してきます。
一見「脇役」の人たちにもそれぞれ主役の人生があり
それぞれの物語があるのだという当たり前のことが、
何だか心を温かく、心強くさせてくれました。

評判あんまりよくないみたいなんですが私は好きだなあ、これ。

*1:経験者は語る