僕は、そして僕たちはどう生きるか
読書脳がキレッキレになって(@またよし氏)ゾーンに入った時、
文字が絶叫してるように見えたり*1、
本自体が発熱してるように感じたり*2、
そんな経験をしたことが何度もあります。
この本を読んでいるときには
本そのものが切々と語りかけてくるような感じがしました。
- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本
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やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。
コペル君14歳、考える。
春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。
そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。
少年の日の感情と思考を描く青春小説。
似たような題名だなーと思ったら案の定、
むかーし、子供のころに読んだこの本に出てくるコペル君のお話でした。
- 作者: 吉野源三郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1982/11/16
- メディア: 文庫
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あの「コペル君」とは違います。
けれどやはり、考えることを止めてはいませんでした。
「泣いてはだめだ、考えられなくなる。」と言い切れる強さ。
考え続けることができる強さ。
物語の中のありとあらゆる言葉と
コペル君ユージン君の姿にひっかっかって、ゆっくりゆっくり読みました。
難解すぎてゆっくりになるのではなく、
考えることを止めさせないからの、ゆっくり。
立ち止まりながら打ちのめされながらゆっくり読み進める様が
ふたりの少年の不器用だけど逞しい歩みそのもののようで
なんだかすこし嬉しかったなあ。
「ふつう」という言葉の胡散臭さと大多数の側にいるという安心感、
普通と普通でないものの境界線について、
群れることについて、自分の核心について、
読み終えた後も考えることが止められません。
男の家に女が転がり込んで草を食べる、
そしてその草ごはん(?)がものすごくおいしそう、
という意味では『植物図鑑』*3にもちょっと似ています。
全然甘くないけど。苦くて重くて深いけど。