大好きな本

すきなひとがどんな本を読んでいるのか、
そして何をどう感じたのか、気になりませんか。
わたしはとても気になります。*1
読んだ本が、見たものが、その人となりとなってゆくのだ、というのは
言い古されたことではあるけれど、
言い古されるほどに言い継がれてきた、つまりは真実の断片だと思うのです。
(ややこしいわ)


川上弘美書評集 大好きな本 (文春文庫)

川上弘美書評集 大好きな本 (文春文庫)


本を読んでびっくりする。身につまされる。いいものをわけてもらう。
しみじみと読み返す。夢の中でもつづきを読む。
知って、好きになって、とてもいいと思うから、書評したくなるのだ…。
谷崎、田辺聖子村上春樹、翻訳書やSFや、詩集からマンガまで、
川上弘美が心からお勧めする144冊。


書評と名乗ってはいるけれど、これは物語。
川上さんの小説を読んでその世界にずぽーっと入り込んでいる時と同じように、
川上ワールドから伸びてきた手に足首をがしっと掴まれて
ぐいぐいと引きずり込まれてしまいました。

同じ本を確かに読んだはずなのに、
感じ方はこんなにも違うのか!と驚きます。
というか、身の程知らずにも嫉妬します。
こんな風に感じることのできる感性が、わたしもほしい。

小川洋子さんや恩田陸さんのエッセイを読んでも感じることですが、
作家さんの見ている世界は
きっとわたしが見ている世界よりも色の数が多いんじゃないかな。

*1:だから、人の本棚を見るのが大好きだ。でも、見てるとその人の裸を見てるような気になっちゃってなんか恥ずかしいやら申し訳ないやらで堂々と見れないんだ。