少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤

賞を取った作品だ、というのは知ってました。
映画化されたことも知ってました。*1
が、数年間読み逃し続けて、今頃。



女子高校生四人組の演劇ユニット「羅針盤」。
ストーリーとコンクールでその名を知らしめたが、
メンバーの突然の死によって活動を停止する。
それから四年の月日を経て、―復讐は始まる。
島田荘司選第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作。



文学賞を取った作品だから、
それが自分にとって面白い作品か?といえばNOなわけです。
唯一信頼していた本屋大賞に対してすら
「書店員様の目は節穴でございますか?」
とぶーたれた経緯もあり、
受賞作だと知っていたことで逆に無意識のうちに
敬遠してしまっていたのかもしれません。

演劇にうちこむ少女たちの
青い時代ならではの尖った感じや
純粋さがまず、まぶしい!
繊細さと若さゆえの傲慢さ、
脆さと世間知らずの逞しさ、
自意識からくる葛藤など、
自分にもあったかもしれないなあ、、、と
思う感情が蘇ってひりひりしました。

誰が犯人であってもおかしくない!と、
ぐいぐい読み進めることができたけれど
犯人はだれか?という「?」が、
決して「ミステリ」を構成するための
「謎解き」ではなかったように思えます。

過去パートで語られる物語と
現在パートで語られる物語、
ふたつの物語が時に響き合い
時に不協和音を奏でながら一気にラストへ。

思った以上に面白かったので、
映画の方も見てみましょ。

少女たちの羅針盤 (2枚組) [DVD]

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*1:VSに番宣で来てたの見たから